矛 盾

話の前後や二つの物事が食い違っていて、つじつまが合わないことを意味する故事成語です。この言葉は、中国の『韓非子』に記された、矛と盾を売る商人の話に由来しています。

4月から警察庁主導で[自転車の青切符制度]が導入されました。 少し現場では混乱しているようですが、自転車の無秩序な走行が長年見過ごされ、幼い子どもの死亡事故が繰り返されてきた現状を考えると、ようやく対策が動き出したと言えるでしょう。これまで、自動車側にほとんど過失がない事故であっても、相手が負傷すれば「安全運転義務違反」とされ、運転者が点数や罰金を負担する状況が続いてきました。 徐行していても、相手がふらついて接触すれば自動車側の責任。酔った歩行者が飛び出してきても同様です。 こうした不公平感を解消するためにも、ルールを守らない利用者に対して適切な指導や罰則を設ける仕組みは必要だと考えます。

一方で、見過ごせないのがLUUP(電動キックボード)の急速な普及と、それを後押ししているように見える行政の姿勢です。 政治家・行政・メディアを巻き込み、警察庁や国土交通省に働きかけた結果、2023年7月1日に改正道路交通法が異例のスピードで施行され、「特定小型原動機付自転車」という新区分が新設されました。通常、道路交通法の改正や新区分の創設には数年単位の議論が必要であるにもかかわらず、短期間で実現した背景には、元警視総監が監査役に就任していることもあり、「行政が特定企業に便宜を図ったのではないか」という見方が残っています。

さらに、最高時速20km/hで走行できるにもかかわらず、免許もヘルメットも不要という扱いは、多くの人にとって違和感のあるものです。      自転車にはヘルメット着用を強く呼びかけている一方で、より高速で走る電動キックボードには義務を課していません。この点について行政は十分な説明を行えていないように思われます。                                                   実際、私の通勤路でも逆走や歩道走行、歩行者の間をすり抜ける走行が日常的に見られ、天満橋交番のすぐ横にLUUPのポートが設置されている状況は、行政の対応の甘さを象徴しているようにも映ります。大阪城周辺では外国人利用者による信号無視も頻繁に見られ、大阪府警本部の近くでこうした状況が続いているのは、改善の余地が大きいと言わざるを得ません。

警察関係者によれば、LUUPによる事故は増加傾向にあり、2024年7月〜2025年6月の事故件数は367件と前年の約1.7倍。自転車と比べても1台あたりの事故率は約15倍に達します。これだけリスクが明らかになっているにもかかわらず、行政は「規制緩和」を優先し、安全対策を企業側に委ねている印象があります。

そのため、「虎(警察庁・元警視総監)の影で狐(LUUP経営者)が利益を得ているのではないか」という疑念が消えないのは、行政が十分な説明責任を果たしていないことが一因でしょう。事故が増えている以上、LUUP側も規制に従うだけでなく、企業として主体的に安全対策を強化する必要があります。そして行政は、特定企業に肩入れしていると受け取られかねない政策運営を見直し、公共の安全を最優先にした透明性の高い対応を進めるべきだと考えます。

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