ライフプランセミナーの児玉総合労務研究所
所長の一言

所長のひとこと|2012年11月11日

驥尾に付す


きびにふす  と読みます。

 中国に驥(き)という駿馬がいたのですが、その尻尾につかまっていた蝿が、馬が走ると共に、思いがけず遠くまで来たという故事によるもので、遠くまでは飛べない蝿でも、名馬の尻にくっついて行けば、千里のかなたまでも行くことができるということから「驥尾に付く」ともいいます。
 つまり、優れた人のそばで一緒に研究などすると、一人では到底、成し得ないような偉業をやることができると言う意味で才知のない者でも、すぐれた人のあとにつき従っていれば、自分の能力以上のことが成し遂げられるというたとえです。
 一般に、人と行動をともにするとき、微力ながらもご一緒にと、自分の行動をへりくだって言う言葉として使われます。

私は、馬齢を重ね68歳になりましたが、この歳になって嬉しい事は私には素晴らしい先輩がおられるということです。
 もともと、私は群れるのを 良し としない性格ですので、親友と言える友人は多くありませんが、それでも毎日を楽しく又忙しく過ごしています。
 この先輩は、年齢が一回りも以上も違っても全然ふけていないどころか、こちらの方が刺激を受けるような新しい事にチャレンジされていて、アクティブな姿がまばゆく又,羨ましく感じられます

 先輩は中川電機時代(後の松下冷機)から「縁」を大切にされていました、縁を大切にしてきた人間とそうでない人間の奥行きの広さ・大きさの違いは、権力から離れたときにはっきりと出てきます。
 もちろんどんなに大切にしたい縁でも次第に薄れていくものもあり、それもまた現実です。

 前の会社で人事畑の第一線を歩んでこられて、常務取締役から監査役へと疲れたほどの先輩が、肩書きも何もかなぐり捨てて、OBの方々や現役時代の近隣会社で縁を築かれた友人へのパソコン勉強会や、OB会のゴルフ世話役をされているほか、いくつもの小サークルの中心となって活躍されています。

 翻って考えてみますと、私は、かなりの仕事を量的にも質的にも蝿のごとくこの先輩の尻尾につかまって指導のよろしきを得て、なんとかこなしてきました。
知力・気力・胆力のどれもが今ひとつパッとしない中で、何とか業務を全うすることができたこと、退職後も多くの顧客を持てるようになったのは、この先輩のお陰と思っています。

引き続き、「縁」を大切にして、次のステップへと移りたいと考えています。

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