「今動かないと損」から始まる落とし穴──バブルとクラウドファンディングの教訓/

1980年代末のバブル期「今買わないと一生買えない」──そんな言葉に背中を押されて、土地やマンションを高値で購入した人が多くいました。

地価は右肩上がり、ローンを組んででも資産を持つことが「勝ち組」への道と信じられていました。

しかし、バブルが崩壊すると地価は急落、資産価値は下がり、ローン返済に苦しむ人が続出しました。

そして今 2025年、似たような構図が再び現れています、「みんなで大家さん」という不動産型クラウドファンディングに対し、114億円の返還を求める集団訴訟が提起されたのです。

甘い話には裏がある⇒・たとえば、「必ず儲かる」「リスクゼロ」「誰でも簡単に成功」といった言葉で誘われる話は、冷静に考えると現実離れしていることが多く、詐欺やトラブルの温床になりがちです。

特に高齢になると、年金以外の収入源を求める気持ちは自然なことです。「少しでも家計の足しに」「子や孫に迷惑をかけたくない」──そんな思いが、甘い言葉に心を動かされやすくします。

※「みんなで大家さん」の主なうたい文句・訴求内容

株式や債券と異なる“目に見える資産”としての信頼感を強調して、高利回りを謳い、少額から投資できる安心感が庶民の夢を誘いましたが、運営の不透明さが露呈し、多くの人が不安と損失を抱えることになりました。

「小口から始められる不動産投資」⇒一口100万円など、少額から参加できる点を強調。

•「手軽に不動産収益を得られる」⇒面倒な管理は不要で、賃料収入や売却益を分配。

•「みんなで大家になる」⇒複数の投資家で不動産を所有するという、親しみやすいネーミング。

•「年金代替・安定収入・節税効果」⇒高齢者や資産形成層に向けた安心感のある訴求。

•「1口から参加可能」「実物資産に裏付けられた安心」

このような「期待と落胆」の繰り返しは、中国の故事にある、禍福は糾える縄の如し(かふくはあざなえるなわのごとし)の言葉がありますが、深い示唆を与えてくれます。

意味: 災いと幸福は、縄のように交互に絡み合ってやってくる。人生には良いことも悪いことも常に入り混じっている。

出典: 『史記』南越伝(司馬遷による紀元前1世紀の歴史書)

現代の金融制度がいかに進化しても、一般人の「安心して預けたい」「少しでも豊かになりたい」という願いは昔と変わりません。
 契約書を読んでもよくわからないときは、家族や専門家に相談しましょう。「今すぐ申し込まないと損しますよ」と急かすような勧誘には、特に注意が必要です。・・不動産屋の常套文句でもあります。

だからこそ、投資も人生も、熱狂より冷静、利益より信義が大切であり、制度設計や財務管理には、会社の誠実さと説明責任が求められます。

故事の教えは、現代の投資社会においても、人の心を見つめ直す鏡となります。
過去の教訓を忘れず、制度と倫理の両面から信頼を於ける会社かを見極めて、じっくりと取り組むことが、未来の安定につながるのではないでしょうか。

                                                                           以上

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です